データの読み方
13F報告書の読み方:機関投資家の保有開示とその限界
保有基準日、公表日、開示対象の範囲を分けて、機関投資家の保有銘柄を調べます。
報告書が示すのは、過去のある時点の保有状況
Form 13Fは、機関投資家の一定の保有証券を四半期末時点で報告する書類です。通常の提出期限は四半期末から45日以内で、SECの暦に関する規則が適用されます。すべての運用者が45日後ちょうどに提出するわけではありません。対象期間と実際の提出日を両方確認してください。公表されたばかりでも、中身は過去の保有状況です。リアルタイムの売買情報ではありません。 SEC: Frequently Asked Questions About Form 13F
三つの日付を残す
保有基準日、公表日、自分がデータを取得した日を別々に記録します。架空の例で、6月30日時点の保有を8月10日に提出し、8月12日に読んだとします。どの日付からも、元の購入日や8月12日にまだ保有しているかは分かりません。三つの日付を残すと、取得したばかりのデータを、新しい投資行動と取り違えずに済みます。
出典: SEC: Frequently Asked Questions About Form 13F · SEC: Form 13F and instructions
開示される範囲を確かめる
SECのFAQでは報告対象となる証券やポジションを説明しています。13Fは運用者の全資産、負債、現金、ヘッジを網羅する書類ではなく、空売りのポジションも報告されません。構成比を示す際は、分母が開示対象の保有証券の評価額であることを明記します。それを運用者の全ポートフォリオに占める比率と呼ぶと、書類にない情報を付け加えることになります。 SEC: Frequently Asked Questions About Form 13F
評価額の増加だけでは買い増しと分からない
ある保有銘柄の報告額が100から120に増えても、20を追加購入したとは限りません。単純化した例では、株数が変わらず株価が20%上がるだけでも同じ変化になります。株数、評価額、証券識別子、株式分割などを確かめてから売買を説明してください。書類に書かれた事実と、その変化をどう解釈するかを分けておきます。
開示から作る運用成績は、自分のシミュレーション
公開書類から仮想ポートフォリオを作る場合は、各情報をいつ初めて知り得たかを記録します。公表前の情報を使う実験と、公表を待つ実験では前提が違います。購入価格の決め方、欠損した株価、コスト、訂正報告書の扱いも定めます。結果はその仮定に基づくシミュレーションと表示し、運用者本人の検証済み成績であるかのように名前を付けないでください。
保有開示から、次の調査へ進む
保有報告は事業への投資配分や前回からの変化を調べる手掛かりになりますが、運用者の判断理由をすべて明かすものではありません。GSDAQの機関投資家分析は公開情報への案内として使い、個別の主張は元の提出書類で確認します。出典、日付、比較基準、まだ分からないことを短く残す方が、有名投資家の次の行動を知ったつもりになるより役に立ちます。